40代の転職漂流記・技術者派遣の現場から

40代の今、数社の転職を重ねて技術者派遣の現場に行き着きました。現在、生き方を模索中

自分の得意なことにこだわらなかったことは、自分で自分を尊重していないのかもしれない

苦手・不得意な仕事というのは、本当に気力が湧かないものです。少なくとも私はそうです。

中には、苦手でも不得意でも何とかしてしまう器用な人はいます。派遣されている人の中にそういう感じの人がいて、私みたいに狭い範囲しか得意と言えない人とは対照的です。そういう人がいるから、周囲の期待する基準はその人のそれになってしまう、そう感じます。

私の場合、システム開発ならWeb、それもフレームワークの仕様や流儀に沿うことを大前提とした開発を得意とします。それでいて依頼者の要件を満たすことを心がけていましたので、狙っていたのは依頼者・開発者双方が満足することでした。依頼者はちゃんとした成果物を受け取れ、開発者はフレームワークを使いこなすことで効率の良い開発を行い、過重労働を避ける。過去のことを言いますと、それはある程度成功していたと自分では評価していますし、方向性は正しかったと確信しています。

しかし、世の中にはこういうことにこだわらない人もいます。そういう人は、フレームワークを導入しても仕様や流儀には沿わず、自分の思うような使い方をして、フレームワークに存在する機能であっても自前で実装して、それを良しとしている。私には馴染めないやり方ですし、やっぱりフレームワークが活かせずにもったいないことになってしまっていると思うのです。

ですが、そういう人に限って周囲からの信頼は厚く、また無茶が効くので派遣先の現場では重宝されていたりします。かたや私は、得意と言える範囲が狭く、そこにはまらないとまるで力が出せないという、傍から見れば使いにくい人となっています。

それでも思うのです。自分の得意なことがわかっているのに、それにこだわらずに気の進まない案件を受けてしまったことは、自分で自分を痛めつける、自分を尊重しなかった、そう思えて仕方なくなっています。おかげで今はとても惨めでして、

仕事が遅い→何とかしようとして焦る→話を聞き逃す→また失敗する→長時間の残業でカバーしようとするがうまくいかない→気持ちがものすごく荒む・落ち込む→自己肯定感がないに等しいところまで行ってしまう

という遷移を辿っています。本来なら、技術者として気を使えるような場面が多々あるはずなのですが、それにすら気が回らず、慣れないフレームワークに苦戦して、要件を満たせないばかりかそもそもちゃんと動かないものを作ってしまうなんていう、もう本当にお粗末な状態です。自分の得意なフレームワークなら、少なくともコードを書く上では要件を満たせるから、仕様を充分に理解する時間的余裕を作れそうなものなのですが。

いや、これも結局は言い訳にすぎないのですかね。何せ、何でも出来る人がいますので。出来る人がいるということは、私を含む他の派遣技術者にも同じようなものを求められる。技術者と言っても人それぞれなのですが、周囲はそうは見てくれません。

そろそろ、派遣先から切られるかもしれません。私にはWebの経験しかないことは派遣元はもちろん、派遣先も承知しているはずでして、それでも声をかけてもらえたのは意外なことでした。しかし、声をかけてくれたということは、その現場で自分に出来ることがあるはずだと信じ、それで呼びかけに応じて派遣されることを受け入れたのですが、駄目でした。

ですが、派遣先から切られたとしても、それは最悪の出来事ではないです。最悪なのは、心身のいずれか、または両方がだめになってしまうことです。そうならなければ、何とか出来ると私は思いたいです。

社会的に成功している人は、おそらく自分の得意分野に注力していることでしょう。成功と同時に幸せを感じている人は、なおのことそうではないかと思えます。

これを読んでくださった方には、もし、自分の得意なことがあるとしたら、それを尊重して身の振り方を決めてほしいと思います。私も、そうします。